教えて保育の参考書(毎週更新‼)

~現役保育士が保育士目線で“保育士向け”にまとめた最新情報。男性保育士、新人保育士必見~

保育園における必要な知識 保育業界のお役立ち情報

新人保育士の保護者対応


4月になり、今年も多くの夢を叶えた新人保育士が保育現場で保育士デビューをしたと思います。

新人保育士の悩みの中でも「保護者対応」「職場の人間関係」「子どもたちが話を聞いてくれない」といった悩みが毎年上位にあげられます。

そこで今回は新人保育士の保護者対応について解説です。通常の保護者対応ではなく新人保育士に特化して解説します。

また今回は新人保育士が保護者対応で失敗した実例も掲載したいと思います。

 

 

◆新人保育士に保護者が求めていること

・実は保護者の多くが新人保育士に過度な期待はしていません。むしろ期待よりも不安の方が多いというのが保護者の本音でしょう。特に0歳児、1歳児の方が保護者は新人保育士に対して不安を抱えることが多いです。どうして乳児の方が保護者は心配になるのか。。。それは新人保育士が自分が子育てをしたことがない+経験もないのにいきなりまだこんな小さい子どもを担当するの??という懸念があるからです。なので乳児クラスは特に新人保育士はベテラン保育士または0歳児、1歳児クラス経験者の指導のもと保育士1年目をすることが多いでしょう

では保護者は新人保育士に何を期待しているのか??それは「とにかくいっぱい子どもの笑顔を引き出して欲しい」ということでしょう。特に幼児クラスでは体を一杯動かして身体面の成長を期待する保護者は多いです。鬼ごっこをしたり、体を使ったゲームや体操を取り入れたりして積極的に活動面で子どもたちの笑顔を引き出して欲しいという期待が保護者は大きいです。

 

 

◆新人保育士に対して保護者が不安なこと

・やはり経験がないことと、その保育士がどのような保育をするのかが全くわからないということです。ある程度経験のある先生は「実績」という部分で一定の安心感があり、兄弟児や保護者同士の繋がりで昨年までその先生がどのような保育をしているのかという情報があります。この違いは正直大きいです。その中で鍵になってくるのが・・・

 

「ケガを起こしたりしないか」

「子どもの気持ちを理解して保育をしてくれるか」

「言葉づかいや礼儀などは乱れていないか」

 

この3つです。上記2つは新人保育士も意識して保育を実践していますが、3番目の言葉づかいや礼儀、姿勢、マナーなど子どもの基本的生活習慣に繋がる部分は保育士の信頼に直結します。保護者の前や先輩保育士の前では当然のこと、子どもたちの前でも言葉づかいや保育中のひとつひとつの動きには気を使うようにしましょう。特に幼児クラスでは家庭に帰り保護者に「〇〇先生がこんなことしてたー」「〇〇先生がこういう言葉を使ってたー」といった感じで報告します。保護者は保育園の様子を見ていないだけでなく新人保育士には事前の情報が全くない為、そこで保護者に先入観を持たれてしまう可能性もありますので、注意しましょう。

 

 

 

◆新人保育士が起こしがちな保護者対応の失敗例

・新人保育士の保護者対応で最も気を付けなければいけないのは「"自分はプロの保育士"だから」という考え方を保護者ぶつけてしまうこと」です。確かに保育士としてプロ意識をもつことはとても大切なことですが、保護者対応においてその感情を出すことは夏以降まではNGです。なぜならば、新人保育士は「ただ保育士資格を持っているだけで保育士としての経験は0」だからです。

 

また保護者の多くが新人保育士より年上です。保育士資格や資格取得に関する知識はなくても保護者は自身の子育てを経験している分、新人保育士より子どもを身近に見ています。そして何より保護者からみたらあなたは社会人1年目。多くの点において新人保育士は保護者と比べると経験が浅い。となると、まだ信頼関係も成り立っていない「社会人1年目の子育ての大変さもわからないひよっこに上から目線で話なんてされたくない」と感じる保護者も少なくないのです。

 

その他には、言葉遣いにも気を付けましょう。よくある失敗が「ご苦労様」です。新人保育士はねぎらいの気持ちで言葉をかけたとしてもご苦労様は上から目線の言葉です。もし相手側が営業や接客などの職種や上下関係に厳しい会社であれば、気を悪くしたり、そんな社会人の基本も知らない保育士に自分の子どもを預けても大丈夫なのか???という不信感を与えてしまいます。他にも「了解しました」も間違い。正しくは「承知しました」です。この2つの言葉は典型的な新人保育士の誤った敬語ですので気を付けましょう。

他にも連絡ノートなどで間違った漢字やひらがなばかりを使っていると同様に見下されてしまう可能性もあるので注意しましょう。

まずは先輩保育士の保護者対応を参考に勉強しましょう。ただし上述のように先輩保育士が保護者より年上であったり、子育て経験があったりなどその先輩の立場も踏まえて見学するとよいですね。

 

【保護者対応で気を付けるポイント】

1、相手は年上であり、大事な子どもたちを預からせてもらっているという認識を持つ。

(理想は同等の立場で子どもの成長をサポートすることですが、新人保育士はこのような見解を持つとよいでしょう。)

 

2、子どもを比較するような表現をしたり、上から目線で評価や批判を絶対にしない。

(事実であっても言いづらいことやマイナスなことを伝える時には先輩に代わってもらうか、事前にどのように伝えるべきか相談や練習しておきましょう)

 

3、正しい敬語、正しい日本語に漢字を使うこと。

(ご苦労様、了解しました、ら抜き言葉を使わない。語尾を伸ばさない。)

 

4、社会人の世界では自分は一番下の新人であるという自覚を持つ。

(学生時代の部活と一緒です。)

 

5、保護者に対して共感する態度に欠けた、機械的な対応をする

(仕事を終えて疲れているときにいきなり否定から入ったら誰でも機嫌が悪くなります。保護者は自分の子どもに癒しを求めているのですから水を差すのはNGです。)

 

6、プロの保育士であっても保育園と家庭は全く別物で親の気持ちは親でないとわからない。

 

特に『6』は重要です。

なぜならば保育士は勤務時間を終えれば自分の時間が待っており、保育士という責務からは解放されます。しかし保護者は24時間どんな時でも『親』であり新人保育士同様に仕事をこなした上でそこから親として子育てを行います。おそらく新人保育士の方は仕事が終わるとクタクタで休日はゆっくり睡眠を取ったり遊びに出かけることでリフレッシュをするでしょう。でも保護者は休日も子どもを中心に生活をしているわけですから、このことを意識すれば自然と保護者を尊敬する気持ちが生まれ、謙虚な気持ちで保護者に接することが出来るはずです。これらのことを常に意識しながら常に相手の立場にたって保護者に接することが新人保育士には大切なことと言えるでしょう。

保育士も大変な仕事ですが・・・働くお父さん、お母さんというのはそれ以上に大変なことを毎日積み重ねている凄い人たちなのです。

 

 

◆新人は新人らしく一生懸命ひた向きに頑張ればそれだけでよい

・上述の内容を見ていると新人保育士は苦労ばかりかというと、そんなことはありません。上述の内容を保護者は理解してくれています。だからこそ自分の子どもを全力で一生懸命見てくれているという気持ちが伝わればそれだけで保護者は新人保育士に寄り添ってくれると思います。ベテラン保育士には「助言」「安全」「成長」といった専門性を求めてきますが新人保育士には「子どもへの愛情」という保育の本質を求めているのが大半です。そしてその姿勢を保護者にではなく子どもたちに見せ続けていれば、自然と子どもたちが新人保育士に愛着を持つようになります。乳児は朝の預かりに自然と保育士に向かっていく。幼児は今日の保育園は楽しかった。先生のことが好きといった言葉で保護者に気持ちを表現します。そんな子どもたちの様子をみて保護者は新人保育士に信頼を寄せていくものなのです。

 

 

◆保護者対応に絶対とゴールはありません

・とても細かい指摘ばかりになりましたが、実は私たち子育て経験もあるベテランと呼ばれる保育士であっても保護者対応に正解はありません。保護者の中には相性や考え方の相違もあり、ベテランであってもうまく関係が作れない場合もあります。ではその場合どう対応しているのか。それは『個々にあわせたそれぞれの保護者対応』と『基本に忠実な対応をすること』です。特に後半はどの保護者にも言えること。保護者対応で重要なのはプラスの要素よりマイナスの要素を作らないことです。好かれよう、信頼されようとするのではなく、壁を作られず信頼を失わないようにすることが保護者対応の基本と考えているベテラン保育士は多いはずです。その基本の中に『経験』と『専門知識』を交えて『共感・助言』を与えていきながら時間をかけて信頼を築いていくのです。

 

 

◆この記事のまとめ

・今回は新人保育士というテーマに限定して解説をしました。本来ならば最後に解説をした保育士だからこそ伝えられる言葉かけや立ち振る舞いなどもお伝えしたいところですが、、、それは新人保育士の立場では不必要かもしれません。なぜならば同じ保育士であってもそれを保護者は新人保育士に求めていないからです。保護者対応についてはまた改めて3~5年目向けに別記事で解説できればと思います。

まずは新人保育士さんは最初の半年はとにかく凡事徹底。基本に忠実な対応を心掛け、子どもたちの安全に気を配りながら沢山愛情を注ぐことです。

すぐに関係を築こうとするのではなく1年を終えた時に保護者から『ありがとうございました』と心から言ってもらえることを目指して焦らず毎日確実に少しずつ信頼関係を築くことを目標に日々努力をしていきましょう。

間違ってもプロの保育士だからという間違ったプライドを出してはいけません。社会人の先輩として、そして働く親の立場が分からない以上は保護者には敬意を払いながら親しみを持って接してくださいね。

 

 

~保育の参考書 運営事務局より~

今回の解説は現役の保育園園長を務める水元園長。

この”教えて保育の参考書”が初めての保育ライターとなります。

引き続き、教えて保育の参考書にて今後も掲載予定です。

 
保育の参考書:問い合わせ&質問・依頼フォーム

みなさまからのご連絡、心よりお待ちしております。

 

 


-保育園における必要な知識, 保育業界のお役立ち情報

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。