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保育園の第三者評価とは??

2019/02/23


保育園における”第三者評価”という言葉をご存知でしょうか??

この第三者評価という言葉を聞いたことはあっても、詳しく知らないという保育士さんはとても多いです。

特にこの第三者評価を積極的に実践していない東京都・神奈川県以外で働く保育士さんは知らない方の方が多いというのが現状です。

では保育園における第三者評価とは一体何なのか。なぜ地域によって保育士の認知度が全く違うのかを今回は解説していきます。

 

 

◆第三者評価の基本的な説明

・「第三者評価 保育園」といったキーワードで検索すると、調査結果ばかりが出てくると思います。この第三者評価は簡単にいうと保育園のことを保護者でもなく、働く職員や経営者でもなく、専門の調査機関が第三者の視点からその保育園を調査ならびに数字化することで保育園を評価する制度のことです。

ここのポイントは『専門の評価機関』が調査、その内容を『誰でも見ることが出来るように公表』することです。

公表された評価内容は保育園側が要望を出しても取り下げることは出来ず、所定の年数の間はインターネット上にずっと公開され続けます。

簡単に表現すると以下の図のようになります。

 

 

この流れが基本的な保育園における第三者評価とお考えください。

 

 

 

◆保育園における第三者評価の目的

・第三者評価の目的は評価結果を利用者や事業者に公表することで、利用者に対する情報提供を行うとともに、サービスの質の向上に向けた事業者の取り組みを促すことで、利用者本位の福祉の実現を目指すものとされています。つまりは、これから保育園の入園を検討している保護者から見たときに、どうしても1日だけの見学ではその保育園がどのような保育園か理解することは難しい。なのでインターネット上に公表されている調査結果を参考に自分の子どもを預ける保育園を決める為に役立てるということです。

(イメージは食べログです。しかし専門機関が規定に基づいて調査を行うので、食べログなどの口コミ評価よりも正確なデータを役立てることが出来ます。)

 

また、これから預けようとしている保護者だけでなく、現在子どもを預けている保護者にもひと家庭ずつアンケートが配布されるので、そのアンケートに自分が日頃より思っている内容を記載することが可能です。その内容は第三者評価の結果に反映させることが可能な為、現在利用中の保護者にとっても、自分たちの想いをぶつけることが出来るのです。

”利用者”という意味では、保護者だけでなくその保育園で働いている保育士も日頃から言えない保育所への不満をぶつけることも可能です。経営側はこの保護者と職員からのアンケート結果も伝えられるため、改めて自分たちの保育園における運営も見直しをすることが出来るのです。

 

 

 

◆第三者評価の評価方法とは

・保育園における第三者評価は以下の5点から評価されます。

 

1、各家庭に1部ずつ配布される保護者アンケート(項目ごとによる%評価と自由記述)

2、職員一人ひとりに配布される職員アンケート (項目ごとによる%評価と自由記述)

3、運営側が提出する評価機関からの質問シート

4、各アンケートならびに質問シートをもとに行う事業者ヒアリングと各種関連書類の確認

5、保育園の実地訪問による内部調査(実際の保育の様子など)

 

1と2の結果はそのまま割合をグラフにして公開されますので、保育園側は何もすることは出来ません。日頃の評価がそのまま数字で表されます。

3については、第三者評価を行うにあたり、予め決められた評価項目に対する質問の回答になります。

(私が対応したこの質問回答は67項目の質問に答えていき、該当する場合はそれを証明する記録や書類の有無まで記載。このシートの作成だけで大体6時間くらいかかります。)

4については、3で提出したシートが本当に実践出来ているのか確認です。また証明する記録や書類についてもこの時に、内容に不備がないかまでチェックされます。

5については、監査や保護者見学と同じように評価担当者が実際の保育の様子を見るだけで、担任の先生たちには原則質問や調査はありません。

 

大体この評価をそれぞれ2~3人の評価者にわかれて約半日かけて行われます。

この時の”保育園側”は、理事長、園長、主任といった経営者ならびに保育現場の役職保育士が対応することが一般的です。

5にも記載しましたが、一般の保育士は原則としてヒアリング等はありませんが、監査と同じように運営に関する保育書類等を確認します。その為、事前に保育計画や午睡記録、児童票など各書類がしっかり作成されているか確認されますので、他人事ではありません。

 

◆これが保育園側が記載する回答シートの一部です。

 

 

 

◆第三者評価と監査の違い

・基本は同じと考えてよいでしょう。監査についても各都道府県や自治体の担当者が保育園の調査に入るものなので、第三者が評価することは同じです。細かく言ってしまえば第三者評価では監査の時に厳重にチェックされる会計関係は原則チェックされません。あくまでも”保育サービス”と”利用者の声”をもとに行う調査です。上述にも記載しましたが、大きな違いは『利用者の声の反映』です。ただ第三者評価については通常の監査指導をしっかり受けていれば、保育園としてそれほど大変ではありません。

 

◆このような形でアンケート結果はネット上にそのまま公表されます。(東京都福祉ナビゲーションより)

 

 

◆どうして第三者評価を知らない保育士が多いのか??

・まずこの第三者評価サービスは2001年(平成13年)にスタートした為、比較的新しい制度であること。そして福祉業界と書かれていますが、主に介護施設を中心に実施されており保育業界では積極的に実施されていなかったからです。保育業界において第三者評価が積極的でなかった理由は『評価費用が高い』『受ける必要がない』というのが運営側の本音です。そもそも保育業界は介護業界と異なり、直接契約ではなく自治体を経由して入園するものであり、このような評価を受けなくても子どもは入園してくるものです。周囲の保育園が受けていれば自分の所も受けますが、周りが受けなければ自分の保育園も受けないでしょう。その為、保育業界では第三者評価について知らない保育士がとても多いのです。

 

 

◆第三者評価が広がった背景とは!?

大きな変革は平成25年です。東京都が保育園に対して第三者評価を受審するように動いたことです。その後は自治体によって差がありますが、それぞれの自治体によって第三者評価の受審を義務付けするようになりました。”義務付け”ですので当然保育園側は受けなければいけません。ではどうして保育園側はこの義務にすんなり従ったのか。実はこの第三者評価についての費用は全て東京都と自治体が実質全額負担をする形で予算取りをしたのです。その後、東京都は独自に保育士の処遇改善を行うための多額の補助金(東京都キャリアアップ補助金)を各保育園に支給することになるのですが・・・

『この東京都キャリアアップ補助金の交付の対象となる該当施設は、福祉サービス第三者評価(「「東京都における福祉サービス第三者評 価(指針)」の改正について(通知)(平成24年9月7日付24福保指指第638号)」 に規定するものをいう。以下同じ。)を受審し、結果を公表しなければならない。』

という規定を作ったのです。つまり、東京都では第三者評価に関する費用は全額負担する。逆に第三者評価を受けないのであれば、処遇改善に関する多額の補助金は半額にしますよ。という新たなルールが設けられたからです。東京都は平成30年4月の時点で2,811園。認証園で610園。合計3,421園あります。この3,421の保育園が第三者評価を一斉に受ける形になったのですから、保育業界における第三者評価の認知度は大幅に広がったというわけです。

 

http://www.fukunavi.or.jp/fukunavi/hyoka/hyokatop.htm

(東京都福祉サービス第三者評価)

 

 

 

◆地方の保育園で第三者評価は広がるのか??

・上述のように東京都を中心に保育園の第三者評価は広がっていきましたが、地方ではまだまだ未実施の地域が多いです。ではこれから未実施の地域でも第三者評価は広がるのか??答えは”微妙”でしょう。

実は東京都では第三者評価の費用負担額は600,000円を上限とした実費支給となっています。第三者評価機関もこの補助金制度を理解しているからこそ、ほとんどの評価機関が500,000円~600,000円に定めているのですが、地方の保育園にとってこの600,000円は大金です。この600,000円があれば契約社員として採用している保育士を正社員に転換またはパート保育士を1名補充できます。地方の保育園は東京と比べて運営費自体が少ない&少子化による定員が埋まらない現象も起きているので経営面の不安を抱えている法人も少なくないのです。もし地方の自治体も東京都のように第三者評価の費用を負担してくれれば当然、受審をする保育園は増えるのですが、地方の自治体も少子高齢化の影響で予算が縮小方針の為、なかなか難しいといえます。ただ・・・保育所の経営面において定員数の確保をしたいのであれば周囲の保育園が第三者評価を受けていないことで差をつけることも出来るのですが、このあたりが、地域による保育の格差問題の一つとも言えます。

 

 

◆この記事のまとめ

・今回は保育園における第三者評価について、解説しました。第三者評価については、保育園においてとても重要な制度の一つと言えます。前半の記述では一見、保護者や職員からのアンケートがマイナスのように感じる方もいるかと思いますが、むしろ円滑な関係が出来ていると、当然高評価の回答が寄せられます。よい結果が寄せられた保育園は雰囲気もよくなりますし、自信にもつながります。また最後になりますが・・・実はこの第三者評価の結果は保護者だけでなくこれから就職・転職をする保育士、保育学生の参考材料にもなる為、この制度はとても有意義な制度とも言えます。そして現在働いている保育士もよい評価を得ている保育園で働きたいですよね!

 

 

いかがでしたでしょうか。

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