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保育園の入園にAI導入へ
2019/03/18
保育園の入園に関して、AIを導入する自治体が増えているとのこと。
AI導入について、実際に入園手続きをする保護者の意見は賛否両論。
では、具体的にどのようなことなのでしょうか??
今回は各報道と筆者が保育課の入園係とのやりとりをもとに解説していきます。
◆報道からのニュースソース(一部抜粋)
・煩雑な認可保育所の入所選考を市区町村の職員の代わりにAIに任せる動きが出始めた。
昨年、さいたま市と富士通研究所などが実験したところ、手作業で約50時間かかっていたのが数秒で終了。申し込んだ人に早く結果を伝えられるほか、職員の負担が軽減され、住民サービスが向上すると期待されている。 本年度を「AI元年」とする東京都港区でも保育所選考に活用する実証実験を準備中。効果を見極め、早ければ来春選考での導入を検討しており、各地でこうした動きが広がりそうだ。
※2018年5月産経新聞より
・東京都港区は今年10月から、認可保育施設の入所選考に人工知能(AI)を導入する。
区や開発メーカーによると、AIによる保育所選考は都内初。現在、職員が3日間かけて手作業で行っている選考を、約5分でできるようになるという。区は作業負担の軽減により、保育サービスの向上につなげたいとしている。
※2019年1月東京新聞より
このようなAIの保育園入園に関するニュースが昨年より次々に出ており、現在は50以上の自治体が保育園の入園申し込み手続きにAIの導入検討または既に実施をしているとのこと。
◆そもそもAIとは??
・AIとは・・・Artificial Intelligenceの略で、日本語で言うと”人口知能”のこと。人工知能とは、人間の脳が行っている知的な作業をコンピュータで模倣したシステムのことです。。
具体的には、人間の使う自然言語を理解したり、論理的な推論を行ったり、経験から学習したりするコンピュータプログラムなどのことをいいます。今はこのAI導入によって人間が今まで行っていた業務をAIが代行することで業務負担の軽減ならびにコスト削減などが話題になっており、2017年には保育業界にもAI導入の是非が話題になりました。
◆AIシステム導入
・イメージとして以下の図を参考にしてみてください。
実は各自治体の保育課ならびに入園相談係は、日々の保育園との調整だけでも大変な業務でありながら、現在はこの入園手続きに多くの手間と時間を取られていて、自治体では悩みの種になっているのです。決して間違いの許されない作業でもある為、担当職員は非常に気を遣う仕事でもあり、かなりの負担になっているのです。そこでこの入園に関する手続きを自治体独自の基準にあわせてAIに業務を振り分けようとしているのです。
※東京新聞掲載データより
※株式会社富士急研究所が開発したイメージ画(日経XTECページより)
◆AIシステム導入のメリット
・自治体の人件費の削減が可能
各報道のAIに関する入園申し込みの記事をまとめると、自治体によっては年間400万円の人件費が削減できるとのこと。機械導入の初期費用は4~5年で回収できるとのこと。またこの業務効率化により、自治体では具体的な保育所の新規開園を含む他の業務に人員を割くことが出来ます。
・保護者に迅速な結果を伝えられる
内定や待機通知を早く出せることで、保護者がすぐ次の施設の検討に動けるメリットが生まれる。一般的に1月下旬~2月中旬に結果が出る自治体が多い中で保護者は出来るだけ早く回答を求めており、また認可保育所の受け皿となる地域認定保育所なども認可園の早めの決定で、新年度の入園選考を早めることが出来る
※当然、最終確認は職員がAIの導きだした結果をもとに進められます。
◆この記事のまとめ
・今回は、主に報道に出ている内容をまとめる形での解説になりました。正直、このAI制度に関して実際の入園申し込みに来ている保護者は賛否分かれているというのが現状です。
実は自治体には独自の点数制度が定められており、同率の点数だった時にはどのように順番を決めていたのかなど、個別に配慮されてきたケースもあったと思われます。今回のAI化によってこのような同率点数や、点数だけでは判断しきれないケースをどのように判断していくかという問題も発生するかもしれません。どこを優先にしていくのかを含めて自治体の判断ではありますが、全てをAIに任せるのがよいのか、本当に必要かどうかを判断するために実際に入園申し込み時に人が簡単な面談をするなどの選考要素があってもよいのか・・・といった考えもあるだけに、今後の各自治体の対応をしっかり追っていきたいと思います。
みなさまからのご連絡、心よりお待ちしております。