
保育士の年金や健康保険などの社会保険について
2017/10/04
保育園や幼稚園の求人情報に書いてある『各種保険完備』や『社会保険完備』の記載。
しかも、法定通りとか法律に準ずるとか書いてあって保育士の方の中にはまったく意味不明……って方もいらっしゃると思います。
見る情報によってバラバラになっているので、今回はこれについて解説していきます。
雇用保険や労災保険、社会保険ってなに??
雇用保険や健康保険、年金などすべての控除額を合わせると安くとも2~3万円くらい手取りが減ってしまう日本の保険制度。特に給与が低い間は重荷となってしまいますが、実は何かあったときに本当に大事な制度なんです。
また、表記によって各種保険完備や社会保険完備と表現が異なりますが、同じ意味を指していることがほとんどです。それでは、それぞれの特徴について説明していきます。
労災保険
労災保険(正式名称:労働者災害補償保険)は、労働中の事故や、通勤中の事故があった際に医療費や見舞金の保証をしてくれる保険となります。
保育の現場では、重い荷物を運ぼうとした際に腰を痛めてしまったり、急な動きで足をくじいてしまったとき、また、バスで通勤している途中に急ブレーキがかかって転倒してケガをしてしまった時などに書類を労働基準監督署に提出すると、認定が下りた際に補償の対象となります。
ちなみに保育現場はほとんど例外なく労災保険の加入対象となるため、もしも給与明細等を確認して加入していない場合はハローワーク等に相談した方がよいでしょう。
雇用保険
仕事を辞めて無職となった際に、収入が途絶えないように保証をしてくれる保険となります。一般的によく聞くのが【失業手当】や【再就職手当】となります。
なお、【失業手当】が出ている間はせっかくなのでとりあえず休もうとする方がいます。気持ちは痛いほどわかりますが、次の就業先を見つける際にできる限り期間が空かないようにした方が良いため、よほどのことがない限りは妥協せず頑張って探しましょう。
早めに見つけることができれば、その分【再就職手当】の金額も高くなります。面接の際に「なぜ、前職をお辞めになられてからここまで空白の期間が空いているのですか?」と聞かれないためにも、そちらを狙ってた方が良いと思います。
社会保険
業務外の怪我や病気をしてしまった時に、加入している健康保険組合から一定額(基本的に7割)の医療費の負担をしてくれる制度です。この制度があることにより、自己負担は3割のみで済んでいるのです。
例えば、健康保険に加入していないとなると3,000円の医療費がかかった際は、10,000円払わないといけません。
なお、自分の子どもを出産した時に約40万円ほど出る出産育児一時金はこの制度から出ています。
厚生年金
高齢になると働くことが難しくなります。ただし、生きていくにはお金がかかります。収入がなくなってしまうと困ってしまうので、これまで働いてきた分を積み立てる形で収入として支給してくれるのが年金制度となります。
ちなみに前述の社会保険と厚生年金はすべての人が基本的に何らかの形で加入する義務があり、もしも職場で加入をしてなかったとしても、家族の扶養に入るか、自ら国民健康保険や国民年金に加入する義務があります。
また、学校法人の幼稚園などでは社会保険という名称ではなく、【私学共済】の形で保険や年金の制度に加入する流れが一般的です。