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保育施設での労働形態、待遇など

首都圏の公立保育士の採用枠が広がっている!?

2016/08/12


ここ数年、少子化の影響や、社会福祉法人や株式会社などの民間の保育事業者が自治体の委託を受けて公立保育園の運営をおこなう公設民営化が進んでいることによって『公立保育士』の常勤職員の採用数が減っていました。

しかし、昨年度あたりから急激に採用枠が広がり始めています。
これまでの動きと逆行するこの流れが出てき始めたのは、一体全体どうしてなのでしょうか???
せっかくなので、今回はこの背景について詳しくお話しをしていきたいと思います。

保育園の新規開園が進まない

ニュースなどでもご存知かと思いますが、首都圏や仙台、名古屋、大阪、福岡などの大都市では待機児童問題がとても深刻になっています。
当然、この問題を解消するために各自治体が保育園の開所を進めようとしていますが、近年は保育園の運営事業者が新規開園をしたがらなくなっています。

その大きな理由としては、保育士の獲得が困難になっていることが挙げられます。
特に人材紹介会社のエージェントサービスでは保育士の紹介を受ける際に想定年収の15〜30%の手数料を支払う必要があります。
仮に30%の手数料を取る事業者の場合、運営側にとっては約100万円の支払いとなり、相当な痛手となります。
こうなってしまうとせっかく新しく開設したのに収支がマイナスになってしまうため、運営をしたがらなくなってしまうのです。

公立保育園の分園化

しかし、保育園自体は必要なため、自治体は保育園を作らなければなりません。
これまでは保育園の運営事業者が我こそはと手をあげてましたが、人材採用のコストの増加に伴い、東京の臨海地区(豊洲、有明など東京湾沿い)や23区内でも駅からのアクセスが悪いところなど、職員が集まりにくい地域は新規開園が進まなくなりました。
そこで、自治体は既存の公立園の分園化を始めたのです。

嘱託職員・非常勤職員の募集難

また、保育士不足の影響で民間の保育園の待遇が年々良くなっています。
首都圏では、短大卒の初任給でも正社員・月給20万以上・退職金制度ありといった5年前にはほとんど無かった求人がかなり多く出始めております。

こういった求人が増えたことに加え、晩婚化の影響で安定している正社員を目指す方が増えたこともあり、これまで人気の高かった公立の非常勤職員の求人の人気がかなり落ちてきました。
こうした背景もあり、何とか職員を確保するためにこれまでは止めていた正規職員での採用が進んでおります。


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